療養費

被保険者の傷病には現物給付として療養の給付が行われるのが原則ですが、やむを得ない事情で保険診療を行っていない医療機関で受診した場合などは、診療費は全額自己負担となります。そこで、健康保険では自費診療に要した費用を療養費として現金支給しています。

療養費の支給要件

次のいずれかに該当する場合に支給されます。

  1. 療養の給付若しくは入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給を行うことが困難であると保険者が認めたとき
  2. 保険者が、保険医療機関等以外の病院等で診療等を受けることをやむを得ないと認めたとき

具体的には以下のケースなどが考えられます。

支給要件1.に該当する場合
無医村で諸般の状況上療養の給付を行うことが困難と認められるとき
事業主が被保険者資格取得届を怠り、被保険者証が未交付の間に自費で診療を受けたとき
保険医の指示で柔道整復師の手当を受けたとき
医師の指示にまりあんま、はり、きゅう師にかかったとき
治療上必要なコルセット、サポーターなど治療用装具を購入したとき
輸血のため病院を通じて血液代(生血液代)を未払ったとき(ただし保存血については療養の給付として現物給付される)
支給要件2.に該当する場合
病状が緊迫した状態で保険医療機関をさがす余裕がなかったとき
重傷でとりあえず担ぎ込まれた病院が保険医療機関ではなかったとき

次のケースは療養費の対象とはなりません。

  • 保険事故とならない傷病
  • 補聴器、眼鏡、松葉杖
  • 他に適当な保険医がいるにもかかわらず好んで保険医以外の医師について診察等を受けた場合

被保険者が、海外の病院等において療養等を受けた場合の費用については、療養費の支給が行われます。

柔道整復師の施術に係る算定基準の実施上の留意事項

柔道整復師が保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合
柔道整復師が保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても、支給対象とされない。
施術における医師の同意
脱臼又は骨折(不全骨折を含む。)に対する施術については、医師の同意を得たものでなければならないこと。また、応急手当をする場合はこの限りではないが、応急手当後の施術は医師の同意が必要であること。
なお、医師の同意は個々の患者が医師から得てもよく、又施術者が直接医師から得てもよいが、いずれの場合であっても医師の同意は患者を診察した上で書面又は口頭により与えられることを要すること。なお、実際に医師から施術につき同意を得た旨が施術録に記載してあることが認められれば、必ずしも医師の同意書の添付を要しないこと。

療養費の支給額

療養につき算定した費用から一部負担金に相当する額を差し引いた額、食事療養につき算定した費用から食事療養標準負担額を差し引いた額、生活療養につき算定した費用から生活療養標準負担額を差し引いた額を基準として、保険者が定めます。

なお、支給額については、実際に療養に要した費用の額を超えることはありません。

療養費の支給手続

原則として、療養費支給申請書に被保険者証の記号・番号、傷病名等所定の事項を記載し、療養に要した費用の額を証明する書類(領収書)を添えて保険者に提出します。

海外療養費の申請も基本的には同様ですが、領収書などが外国語で書かれてある場合は、日本語訳も添付します。

海外にいる被保険者からの支給申請は、原則として事業主を経由して行い、療養費は事業主が代理で受領します。したがって、海外へは送金しません。なお、診療費を外貨で支払っていますから、療養費の支給額への邦貨換算率は支給決定日のレートを用います。

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